3Dプリンターにもだいぶ慣れてきたので、このあたりで一度、いつものプリントの作業手順を使っているアイテムと共にご紹介したいと思います。
各アイテムにオススメ度も3段階でつけていきます!
①3Dプリンターの暖機運転
特に冬場はレジンの反応が悪いので、プリントの10分前くらいには電源をONにして暖機運転するようにしています。
※前に寒い日に失敗した時、開始10分くらいの層からちゃんと造形できてたためです。地域や天気によってもっと長く必要かもしれません。
露光時間を長くすれば暖機運転は必要なかったりもしますが、造形物が少し太るので、寸法が大事な造形物ではこの方法は使えません。
▼3Dプリンター
ELEGOO MARS 2 Pro(この機種の少し前のモデル)を使ってます。
②レジンをレジンバットに注ぐ
ゴム手袋・マスク・ゴーグルを着用し、レジンのボトルをよく振り、3Dプリンターのレジンバットにレジンを注ぎます。
※レジンが足りないと造形物が途中から欠けてしまって残念なことになるので、事前に造形物のレジン使用量とレジンバットの容量を確認して、十分な量を注ぎましょう。
水洗いレジンを使っている&滅多に汚れないので、ゴム手袋もマスクもゴーグルもしないことが多いです。(真似しないでください。)
▼ゴム手袋(オススメ度★★)
いつもの造形ではミスをしなければレジンには触れないし、触れても水洗いレジンなら水道水で洗えちゃうので、あまり使いません。
必要な時といえば、レジンバットに残ったレジンを茶こしで濾してキレイにする時とか、レジンバットの掃除の時とかでしょうか。
私は100均のゴム手袋を使ってますが、手袋に付着したレジンが取りきれずに残り続けるので、使い捨てタイプがオススメです。
▼マスク(オススメ度★)
ゴム手袋と同じで、通常の造形の時には出番がありませんし、私はつけてません。
レジンの補充や掃除の時はつけた方が安全だとは思います。
▼ゴーグル(オススメ度★)
マスクと同様です。
▼水洗いレジン(オススメ度★★★)
造形後に水道水で洗える「水洗いレジン」を使ってます。
通常のレジンは洗浄にIPA(イソプロピルアルコール)という毒性が高い薬品が必要なので、子供がいる我が家ではちょっと使いづらいです。
③プリント開始
モデルデータを入れたUSBメモリを3Dプリンター本体に差し込み、プリントを開始します。
造形後すぐに洗浄→二次硬化が必要なレジンの場合、プリント完了時刻をここで確認しておきます。
④プリント完了
プリントが完了したら、3Dプリンターからプラットフォームを外して傾け、プラットフォームと造形物に付着した未硬化のレジンをできるだけポタポタ落とします。(もったいないから)
なかなか落ちてくれないので結構な待ち時間になります。
⑤造形物を取り外す
大きめの金属製のボウルの中にプラットフォームを置き、造形物を取り外します。
(はじめはまな板を使ってたんですが、外す時の加減で造形物が飛んでいくことがあるので、底の深いボウルに落ち着きました。)
このボウルには後で洗浄廃液も入れます。
まな板を洗う必要がなくなる(=洗い物が1つ減る)のでオススメです。
造形物がスクレーパーでなかなか外れない場合、ノミのように金槌でスクレーパーの柄を叩く感じでやると取り外しやすいです。
造形物を取り外した後、プラットフォームは3Dプリンターに戻して固定します。
翌々日くらいまでにプリントする予定がない場合は、プラットフォームは洗ってから戻します。
▼金属製のボウル(オススメ度★★★)
プラットフォームから造形物を取り外す時の作業スペース&レジンの洗浄廃液を一時的に入れる容器として使います。
▼スクレーパー(オススメ度★★★)
結局、3Dプリンターに付属していたものを使ってます。
▼金槌(オススメ度★★)
そんなに力は必要ないので、小型の金槌で大丈夫だと思います。
一般的な斜めにプリントする方法の場合、サポート材はそこまで外しづらくないはずなので、不要かもしれません。
(私は家にあった大きいのを使ってますが。)
⑥造形物と道具の洗浄(1回目)
ピンセットで取り外した造形物をシリコンカップに入れます。
ついでにスクレーパーとピンセットもシリコンカップに入れます。
シリコンカップを超音波洗浄機にセットし、シリコンカップと超音波洗浄機本体に水を入れ、3分間洗浄します。
▼ピンセット(オススメ度★★)
外した造形物を運ぶのに使います。
手が汚れないので便利です。
▼シリコンカップ(オススメ度★★★)
洗浄前の造形物を入れ、このシリコンカップごと超音波洗浄機にかけます。
金属製の容器と違い、レジンがくっつかずに洗いやすいのでとても便利です!
↓画像代わりに載せてますが、造形物と超音波洗浄機に合わせてサイズを選んでください。
▼超音波洗浄機(オススメ度★★★)
これで造形物を水洗いします。
手やハケでゴシゴシしなくていい(=洗い物が減る)のでかなり楽です。
⑦造形物と道具の洗浄(2回目)
1回目の洗浄が終わったら、シリコンカップ内の洗浄廃液を金属製ボウルに入れます。
その後、シリコンカップに新しい水を入れてもう3分間洗浄(2回目の洗浄)をします。
2回目の洗浄も終わったら、金属製ボウルに洗浄廃液を入れ、造形物と道具を水道水で洗います。
この時の洗浄廃液にはほとんどレジンは残っていないので、下水に流しても良いと思います。
さいごにキッチンペーパーで造形物と道具の水をよく拭き取ります。
(錆びる道具もあるので、水をよく拭き取ります。)
▼キッチンペーパー(オススメ度★★★)
ティッシュだと繊維が造形物にくっついてしまうことがあるので、キッチンペーパーがおススメです。
思った以上に大量に使います。
⑧洗浄廃液を屋外のバケツに入れる
金属製ボウルに集めた洗浄廃液は、屋外のバケツ(常設)に移します。
日光を当てて廃液中のレジンを硬化させるためです。
▼屋外用の金属製バケツ(オススメ度★★★)
レジンの洗浄廃液を日光で硬化させるので、屋外用がいいです。
ポリエチレンはレジン向きではないらしいのと、ポリプロピレンは紫外線で落下するので、金属製が良いと思います。
⑨造形物の二次硬化をする
水気をよく拭き取った造形物を紫外線ライトに数分くらいあて、二次硬化させます。
二次硬化してもほんのり柔らかくて、翌日くらいにようやくカッチカチになります。
▼紫外線ライト(オススメ度★★★)
レジンの種類によってはすぐに二次硬化が必要なものもあるので重宝します。
⑩完成
全体的に触ってみて、ペタペタする箇所がなければ完成です!
ペタペタしている場合は二次硬化を延長します。
レジンによっては黄ばむことがありますが、何日かかけて黄ばみが取れていきます。
⑪おまけ:洗浄廃液を捨てる
屋外のバケツで数十分~数時間ほど日光に当てた洗浄廃液は、茶漉しで不純物を集めながら下水に流します。
茶漉しに集まった硬化したレジンは、ティッシュなどで集めて捨てます。
▼金属製の目の細かい茶こし(オススメ度★★★)
日光にあてた洗浄廃液から硬化したレジンを濾すのに使います。
また、レジンバットのレジンをボトルに戻す時にも使います。
意外と使わないアイテム
▼ハケ(オススメ度★)
主にまな板やプラットフォームの洗浄に使ってましたが、毎日プリントしてるとハケを洗うさらに面倒くさいので最近は使ってません。
ただ、使うタイミングはある(超音波洗浄機に収まらないサイズの造形物の洗浄には使う)ので、持っておいて損はありません。
自分の手や手袋が汚れないので(使う時が来た場合には)かなり楽になります。
▼漏斗(じょうご)(オススメ度★)
レジンの異物除去も洗浄廃液を捨てる時も漏斗(じょうご)を使わずに排水できちゃうので、あまり必要ありません。
レジンの異物を除去する時も、柔らかいタイプのシリコンカップにレジンを注ぎ、注ぎ口を絞りながら茶漉しに流せますし。
もちろんあった方が楽な場面はあるかと思いますが。
▼テープはがしカッター(オススメ度★)
熱融解積層方式で使い勝手のいいものらしいのですが、試しに使ってみたところ、光造形方式では歯が立ちませんでした。
造形物がプラットフォームにガッチリくっついている場合、なかなか造形物が取れませんし、ガシガシやってたらプラットフォームに傷がついてしまいました。
まとめ
というわけで今回は作業手順と使っているアイテムについてまとめました!
これから3Dプリントに挑戦する方の参考になれば幸いです。
何回もやっているうちに作業が効率化されていき、必要な道具も分かってくるので、やりやすい自分のパターンを見つけてください!
それでは、今回もさいごまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
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